歯が抜けたり、抜歯を余儀なくされたりしたときは、歯の機能の代わりをなすもので治療を行います。歯科インプラントは骨に直接人工歯根を埋め込む技術です。近年、第二の歯の治療として、インプラント治療を受ける人が増えてきています。
多くの金属は汗や体液でイオン化し、溶け出します。それが原因でアレルギーを引き起こすのが金属アレルギーのメカニズムです。
インプラント治療で埋入する人工歯根は生体親和性が高いチタンでできています。チタンはイオンが溶出しにくいため、ほとんどアレルギーを誘発しない金属です。
そのため、アレルギーを心配されている方にも安心です。インプラントは直接顎の骨に埋め込むため、入れ歯よりも強い力で咀嚼することが出来ます。
インプラントは取り外しが必要なく、自分の歯であるかのように食べ物を咀嚼できる点が最大の長所です。また、顎の骨を利用するため、これが吸収されることがありません。そのため、フェイスラインなどにも影響はありません。
インプラントの短所は、治療とケアに関わります。それは外科手術を伴うところと、メインテナンスがこまめに必要なところです。
また、治療費も自費診療のため高額となります。しかし、永く使うことが出来るため、治療の価値はあると言えるでしょう。
レントゲン写真、歯周病検査、噛み合わせ診査の検査を行い、口腔内印象採得、口腔写真撮影を行います。全身状態を参考にして、インプラント治療の計画を立てます。
局所麻酔を施し、手術を行います。まず、専用の器具を用いて、サイズに合わせた穴を空けます。次に、インプラント体を歯槽骨に埋込み、切開した歯茎を縫合します。
手術翌日には消毒を行い、1週間後に抜糸をします。そして、インプラントが顎骨と癒着するまで6~12週間待ちます。その間は、一般的には仮歯を入れておきます。
インプラント体が完全に癒着したのを確認し、インプラントの上にアバットメント(連結部分)を装着します。噛み合わせをチェックし、義歯を作るための型を取ります。
最後に義歯を装着します。これで手術は完了です。治療後のメンテナンスは、少なくとも3か月ごとに定期検診を受けるようにしましょう。
インプラント治療が終わったら、普通の歯と同じように毎日のケアと定期検診が必要になります。しかし、インプラントは人工物であるため、天然歯以上に丁寧なケアが必要となります。その理由は、歯周病と同じように、インプラントの周りに歯垢や歯石が溜まると、細菌により歯肉が炎症を起こすためです。重症の場合はインプラントを抜き、再治療が必要になります。これをインプラント周囲炎といいます。
また、喫煙は手術の予後を悪くしたり、傷の治りが遅くなるため、控えた方が良いでしょう。インプラントのケアについては詳しくご説明しますので、治療計画を立てる際に、お気軽にご相談ください。